ガスの小型の瞬間湯沸かし器と、オール電化の大型の電気温水器との湯沸かしの仕組みの大きな違いをご存じでしょうか。

瞬間湯沸かし器は、出水の際にガスで点火して、水を温めてお湯にします。使用する毎にお湯を作ります。比較的小型なので、流し台や浴室近くの外壁に設置されます。

　

電気温水器は、設定した時間帯に設定した量のお湯を、まとめて作って保温しておきます。出水の際には、その作り置きしていたお湯を使います。機器が大きいので、浴室等の近くに設置できるスペースがなく、スペースが確保できる所に据え置くこともあります。従いまして、ある程度、浴室から離れた場所に設置されることも珍しくありません。

　

以前、オール電化の電気温水器使用の物件の入居者さんより連絡があり、電気温水器のお湯の温度が低いとのことでした。

業者と現場の浴室に診に行きました。入居者さんがシャワーからお湯を出して見せてくれたのですが、どうやら、温度が低いのではなく、お湯がなかなか出てこないということのようでした。そして、その入居者さんは、わずかな出水をされていました。お湯が出てくるまでの水は別に取っておくそうです。いつもそのようにして、節約されているのでしょう。

もうお気付きでしょうか。これでは、お湯はかなりの時間をかけないと出てきません。お湯は、湯沸かしの機器と出水口までの管に残っている冷めた水を出し切らないと、機器で沸かしたお湯が出てこないのです。ましてや、電気温水器は浴室と離れた場所にある場合もありますから、残っている水が多くなります。

従いまして、できるだけ早くお湯を出したいのであれば、最初の出水量（お湯）を最大にして管に残っている水を出しきって、お湯が出てきたら適量に絞ることです。お湯が出てくるまで少量の出水をする意味はありません。お湯が出てくるまでの水の量及び水道料金は変わりません。（お湯になるまでの水を捨てずに、別途使用する分は節約になります。）出水時に湯沸かしするわけではありませんので、使用する電気量及び電気料金もかわりません。むしろ、時間がかかるので時間を損しています。

このことに関しては、機器に問題はありませんでした。ただ、少しばかりの足しにもならないかもしれませんが、気持ちとして、機器から浴室までの配管部分にカバーシートを仕込むこととなりました。

 

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